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今治出身のアニメーション作家・矢野ほなみさん、地元でワークショップ

今治市出身のアニメーション作家・矢野ほなみさん

今治市出身のアニメーション作家・矢野ほなみさん

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 今治市出身のアニメーション作家・矢野ほなみさんが9月8日、イオンモール今治新都市(今治市にぎわい広場)で開かれる「いまばり映画祭」で、小学生から大学生向けのワークショップ「4コマでアニメーションを作ろう」を開く。

アニメーション作家・矢野ほなみさんのワークショップを開催

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 同ワークショップは、円盤状の紙に描いた4コマの絵をトゥピ・ファントーシュというおもちゃを使って回転させることで、アニメーションを作るというもの。矢野さんは「自分の絵が動く様子を見て、アニメーションの面白さを体験してほしい」と話す。

 今治市吉海町出身の矢野さん。現在は東京を拠点に、アニメーション作家として活躍する。2021年に発表した「骨噛(か)み」は「第45回オタワ国際アニメーション映画祭」で短編部門グランプリに輝くなど、国内外で高い評価を受けた。

 矢野さんが子ども向けにワークショップを実施するのは今回が初めて。企画した理由について、「自分が幼い頃に経験できなかったような芸術体験の機会を、今治の子どもたちに提供したいと思った」と話す。

 幼い頃から絵を描くのが好きだったが「身近に美術を学んだり打ち込める環境がなかった」ことから、美術をなりわいにするという選択肢が持てず、一度は芸術とは関係ない道へ進学した矢野さん。しかし大学在学中に「本当にやりたかったのは、作品を通して社会と関わること」という思いが強くなり、方向転換を決意。芸術が学べる大学に再度入り直し、そこから道を切り開いてきた。

 自身の経歴について「遠回りしてきた」と振り返る。「自分が子どもの頃に出会いたかった体験を提供することで、『こんな分野があるんだ』と感じてもらえれば」と期待を込める。

 矢野さんがアニメーションを制作する際には、1秒の動画に12枚の原画を描く。それらを重ね合わせて1カットずつ撮影し、一連の動画を作る。「骨噛み」は10分の動画だが、制作には実に2年もの歳月を要した。

 今回のワークショップでは、4枚の絵を動かすことでアニメーション制作を体験する。「身近にあるテレビや映画のアニメーションも、絵が動いて見える原理は4コマアニメーションと同じ。参加する子どもたちにも、創作の面白さを知ってもらえたら。気負わずに参加してほしい」と矢野さん。

 「いまだに自分の描いた絵が動くと感動する。アニメーションはとても自由な表現方法の一つ。『こうしなきゃいけない』という思い込みを取り払って、自由な発想でワークショップを楽しんでほしい」と参加を呼びかける。

開催時間は15時~16時。対象は小学生から大学生。定員は30人。参加申し込みはウェブサイトで受け付ける。当日14時15分から「骨噛み」の上映と、矢野さんが制作した絵本「タイ長とプチ吉と雲の上の村上海賊」の朗読も行う。

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