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筆を口にくわえて描くアーティスト・田中潤也さん、今治・古国分で個展

5月14日から、「SOHO6」で松山市在住のアーティスト田中潤也(左)さんの個展「ON AIR」が開催される。写真右は会場となる「SOHO6」の片岡さん。

5月14日から、「SOHO6」で松山市在住のアーティスト田中潤也(左)さんの個展「ON AIR」が開催される。写真右は会場となる「SOHO6」の片岡さん。

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 四肢まひのため筆を口にくわえて描く伊予市出身のアーティスト田中潤也さんの個展「ON AIR」が5月14日から、「SOHO6」(今治市古国分)で開かれる。

筆を口にくわえて描くアーティスト・田中潤也さんの個展「ON AIR」 

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 田中さんは、これまで兵庫県と伊予市で展覧会を開き、今治での開催は今回が初となる。会場には新作を中心に、およそ20点の作品を展示する。

 田中さんは1999(平成11)年生まれの26歳。小学2年生の時、自宅の前で交通事故に遭い、頚髄損傷のため四肢まひとなった。絵を始めたきっかけは、小学4年生の頃。「習字大会があり、先生から『口を使って書いてみたら』と言われた。最初は汚いと思われるんじゃないかと心配したが、そんなことはなかった。『友』という字を書いた」と田中さん。事故後、友人らの介助を受け、通っていた公立学校に戻ることができた田中さんにとって、「友人たちとの出会いや存在は何よりも大きかった」と振り返る。

 その後、文字だけでなく絵も描くようになった田中さん。画家になりたいという夢を抱き、創作活動を続けてきた。

 その一方、同時期にプログラミングやパソコンにも興味を持った田中さん。現在、日中はシステム会社に勤務しながら映像制作などにも携わる。併せて、人工呼吸器ながらも積極的に講演会を行うなど、自分の声で経験や思いを伝える活動にも意欲を燃やす。「あれもこれもでは、大変では?」と尋ねると田中さんは「楽しいという気持ちが打ち勝ってしまって」と笑う。

 今治での開催については、「しまなみ海道があって、本州と四国の入り口。人と人とがつながれる街で個展を開きたいと思っていた」という田中さん自身の希望があり、縁ある人との出会いを経て実現に至ったという。

 「いい出会いもあれば辛い出会いもあるが、その全てがかけがえのないもの」と田中さん。「一つ一つの出会いを大切にして生きていきたい。今回の個展も、来場してくれた人の人生の一ページに残るような、そんな出会いが生まれる場にしたい」と意気込む。

 開催時間は11時~18時。入場無料。今月20日まで。

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