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今治城のお堀に「緑のじゅうたん」 水面を覆う藻、生態系への影響は?

今治城の堀は海とつながっており、潮の満ち引きによって水位が常に変化するのが大きな特徴。

今治城の堀は海とつながっており、潮の満ち引きによって水位が常に変化するのが大きな特徴。

 今治城(今治市通町)のお堀で現在、水面を覆うように緑色の藻が広がっている。海水が引き込まれる特異な環境が生んだ光景だが、その維持管理については「海水とつながっている」がゆえの葛藤があるようだ。

今治城のお堀が緑に?

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 愛媛県総合科学博物館の学芸員・小林真吾さんによると、この藻は2018(平成30)年以前から自生が確認されており、「青のり」に近い海藻の仲間だという。

 お堀の中でも、特に水の流れが緩やかな場所に集まって生えており、水面を緑色に染めている。小林さんは「春先は海藻が最も生い茂るシーズン。今が一年で一番目立つ時期では」と話す。

 今治城の堀は海とつながっており、潮の満ち引きによって水位が常に変化するのが大きな特徴。小林さんは、この藻が自生していること自体が「海水であることの証明」としながらも、その影響については「良いものとも悪いものとも言えない」と、自然のサイクルの一つとして冷静に分析する。

 一方、今治城館長の秋山律也さんは、複雑な胸中を明かす。「この藻は、お堀の生態系の一部。これを食べる魚もいるし、海とつながっている今治城ならではの自然の姿ではある。しかし、時に倍々ゲームのようなスピードで増えすぎてしまうのが悩みどころ」。秋山館長によると、大量に繁殖した藻が停滞すると、においや景観悪化の原因になる懸念があるという。

 日本三大水城の一つに数えられる今治城。海水が流れ込むことでチヌやフグが泳ぐ豊かな生態系を育んでいるが、その絶妙なバランスを維持することの難しさも浮き彫りになっている。春の風物詩ともいえる「緑のじゅうたん」だが、関係者にとっては、向き合い方を模索する課題の一つとなっている。

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