今治タオルメーカーの「ハートウエル」(今治市朝倉)が6月6日に発売した新商品「モウカワイターノ」が、発売から約1カ月でメディアからの問い合わせが従来の約3倍を記録するなど話題を集めている。
モウカワイターノは、室内干しの状況下で約2.5時間で乾く速乾タオルとして、ハートウエルが6月6日に発売した新商品。同社では4年ほど前から、速乾タオルとして3.3時間で乾く「今治ドライ」を販売してきた。部屋干しニーズの高まりに伴ってロングセラーとなっており、今回は「より革新的な速乾タオルを」と企画開発。今治タオルのリニューアル版として新商品を発売したという。
開発に当たり、糸や織り方を一から見直した。水分を拡散しやすい特殊なポリエステルをコットンで包み込む2層構造の「珪藻構造糸」を使うことで、吸水性と速乾性を高めることに成功したという。通常は厚い生地でしっかりと縫い合わせるヘム部分も、タオル生地で織り上げることで均一な乾きやすさを追求したという。
「肌に触れる部分はコットンにこだわり、今治タオルらしい手触りの良さと機能性を両立した」と広報担当の木村早耶香さん。ネーミングについては、「いくつかの案を並べて協議し、伝わりやすさやキャッチーさから最終的に選んだ」という。
同社では来年2月末までに2万枚の販売目標を掲げているが、既に好調な兆しを見せているという。木村さんは「従来品に比べてメディアからの問い合わせが約3倍となっているほか、取引先や得意先からの問い合わせも多い。背景には梅雨シーズンに発売したこともあり、速乾ニーズがマッチしたことに加え、ネーミングのインパクトもあるのでは」と分析する。
「同日発売した同じシリーズの『歯ブラシケース』も、タオル業界としては珍しく、手土産としても人気を集めており、トラベル系の雑貨店でよく売れている」という。
「モウカワイターノ歯ブラシケース」は、生地の速乾性を生かして開発した商品。水滴を吸収し、汚れた際には丸洗いできるため、歯ブラシを清潔に持ち運びできるという。広報担当の小川友里奈さんは「歯ブラシをプラスチックケースに入れて持ち運ぶ際に、ケース内に水滴がつくのを避けるため、ティッシュやハンカチ、タオルで拭いたりする人も多かったのでは。タオル生地でケースを作ることで蒸れを防ぎ、快適に使ってもらえる」と話す。既に歯科医院やオーラルケアブランドからの問い合わせもあり、ノベルティーとしての展開や医院での取り扱いも始まっているという。
木村さんは「モウカワイターノで、洗濯という家事が少しでも楽になれば。多忙な家庭に、ぜひ使ってほしい」とアピールする。