テークアウト専門のカフェ「BLUE ROSE COFFEE(ブルーローズコーヒー)」(今治市上浦町井口)が12月15日、大三島にオープンした。
今治・大三島に「ブルーローズコーヒー」 カフェラテと自家製ドーナツ
ハンドドリップコーヒーやカフェラテなどのコーヒーメニューと、ドーナツを提供する同店。メニューは、「エスプレッソ」(400円)、月替わりの「今月のコーヒー」(700円)などのほか、「シュガードーナツ」(300円)、地元のかんきつと伯方の塩を使用したドーナツ「ソルティーレモン」(400円)などのドーナツが並ぶ。今後は食事系ドーナツの展開も視野に入れるという。
同店を営むのは、大阪府出身の鈴木健太さんと兵庫県出身の鈴木愛衣さん夫婦。大阪の動物系専門学校で出会い、愛衣さんは卒業後、就職先の配属で伯方島の「ドルフィンファームしまなみ」に勤務。2016(平成28)年から約3年間、しまなみエリアで生活した。
当時、健太さんが愛衣さんを訪ねて遊びに来た際、しまなみエリアの空気感に強く引かれたという。中でも、かって大三島にあった美容院とカフェの併設店「Hair&Cafe incense」を訪れた経験が印象に残っている。「好きなことを仕事にし、地域に溶け込みながら暮らしている姿に強く心を打たれた」と振り返る。その頃、動物園で勤務していた健太さん。体力や危険と隣り合わせの仕事を続ける中で、「長く続けられる働き方」を意識するようになったという。
もともとカフェ巡りや音楽が好きだった2人は、次第に「いつか自分たちのカフェを持ちたい」という思いを抱くように。一度はしまなみエリアを離れ、関西圏での転職やコロナ禍を経て将来を見つめ直し、本格的に開業を決意した。愛衣さんはカフェで働き始め、健太さんは2023年からカフェスクールに通い、経営知識や技術を習得。間借りカフェの運営やイベント出店を重ね、経験を積んできた。
2024年には、ついにしまなみエリアへの移住を決断。不動産を探す中で大三島の物件と出合い、今年1月に移住。大三島には、愛衣さんの祖父母の生家があり、島内に墓もあるという。「幼い頃には既に祖父母が島を離れていて記憶は多くないが、不思議と呼ばれている感覚があった」と話す。
移住後は島内でアルバイトをしながら人とのつながりを広げ、イベント出店も行ってきた。今年に入って島内に開業した「ムニマルカフェ」「プサイコーヒーロースタリー」、イベント出店を中心に活動する「レーダールーム」と共に、「OCC(大三島コーヒーコレクティブ)」を結成。「9年前に住んでいた頃は、島にカフェはほとんどなかった。今は仲間が増えていることに驚いている」と愛衣さん。
今後については、「人が自然と集まり、つながれる場所にしていきたい」と話す。愛衣さんはラテアート大会にも挑戦しており、「将来的には大三島で大会を開き、島を知ってもらうきっかけをつくれたら」と意気込む。
店名の「ブルーローズ」は、「夢がかなう」という花言葉に由来。「たくさんの人の協力があってオープンできた。これから何かを始めたい人の背中をそっと支えられる存在になれたら」と健太さん。
営業時間は8時~17時。火曜定休。