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今治・綱敷天満神社で夏祭り「宮島さん」 地元有志によるわら舟作り着々

今年流す予定のわら舟で、加藤さんらが制作したもの

今年流す予定のわら舟で、加藤さんらが制作したもの

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 綱敷天満神社(今治市桜井)で7月22日に開かれる厳島神社分祠(ぶんし)の大祭「宮島さん」を前に、地元住民によるわら舟作りが行われている。

過去に実施したわら舟流しの様子

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 毎年旧暦の6月17日に行われる「宮島さん」は、綱敷天満神社境内にある厳島神社分祠の大祭。本社である広島の厳島神社で行われる大祭「管絃祭」を模して行われるようになったとされ、毎年麦わらで作られた「わら舟」が境内すぐそばの志島ヶ原より流される。

 わら舟は、周辺の地域で男の子が生まれた家が、子どもの健やかな成長と海上安全を祈って、7歳を迎えるまで(2歳を除く)、毎年流す。全国的にも珍しい祭りとして、県内外から多くの見物客が訪れる。

 ピーク時は300隻近いわら舟が流されていたが、現在は10~20隻ほど。わら舟の作り手も年々高齢化し、現在は数人にまで減っている。そのため、数年前から地域住民による継承が行われている。

 綱敷天満神社の境内にある清風館では2カ月ほど前から、わら舟作りが行われている。一昨年初めてわら舟作りに参加しという加藤淳一さんを中心に、若手有志らが集まり、1カ月ほどかけて5隻を作った。出来上がった舟には厳島神社本社が大きく描かれた旗が張られ、万国旗などで色とりどりに装飾されている。舵も付いており、風を受けて遠くまで進める。「僕らだと数隻作るのがやっと。作り方を教えてくれた作り手は、ピーク時に1人で100隻以上も作ったと聞いてびっくり。まだまだだが、続けることで後世に残していきたい」と加藤さんは話す。

 当日は、あんどんをともし色鮮やかに装飾されたわら舟が夜の海へ流され、幻想的な瀬戸内海を見ることができる。流されている間は海上で神主が太鼓をたたきながら神事を行う。屋台なども境内に並ぶ予定で夏祭りらしい雰囲気が楽しめる。

 開催時間は19時からで、わら舟は順次放流予定。小雨決行、荒天中止。

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