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今治・大三島在住のライター、「氷河期世代力」出版 逆境生き抜く世代にエール

著書「『氷河期世代力」』(花伝社)を9月22日に発売した、今治市大三島在住のフリーライター、吉野かぁこさん。

著書「『氷河期世代力」』(花伝社)を9月22日に発売した、今治市大三島在住のフリーライター、吉野かぁこさん。

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 今治市大三島在住のフリーライター、吉野かぁこさんの著書「氷河期世代力」(花伝社)が9月22日に発売された。

9人のインタビューが収録された「氷河期世代力」

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 バブル崩壊後の就職難の時代を生き抜いた「就職氷河期世代」へ、自らの人生を肯定し、前向きに生きるためのメッセージを伝える同書。1990年代半ばから2000年代初頭、日本は未曽有(みぞう)の就職難に直面した。この時期に社会に出た「就職氷河期世代」は現在40代~50代前半で、その数は1700万人以上と推計される。

 この世代がさまざまな場面で「報われなかった世代」と語られることに対し、吉野さんは「自分の人生を否定されている気がして、『そうじゃない側面もある』と言いたかった」と執筆の動機を話す。

 同書では、吉野さん自身を含め、9人の氷河期世代へのインタビューを敢行。「あえて誰もが知るような著名な人ではなくて身近にいそうな人。氷河期世代だからと諦めず、明るく暮らしている人」を選んだという。インタビューでは、統計データでは見えない「個人のストーリーを拾い上げる」ことに注力し、当時の具体的なアニメやアーティストなども多数登場するなど、親密な雰囲気でのやり取りをそのまま文章にした。「読者が、インタビューの場に居合わせたような空気感を共有したかった」と意図を話す。

 吉野さんは、不遇の時代を耐え忍び、忍耐力があるとされる氷河期世代の強みは、それだけではないと指摘する。「それぞれが自分にフィットしたオリジナルの答えを見つけて生きていると感じた」と話す。「この本が、読者自身が自分の人生を振り返り、自分の強みを見つけるきっかけになればうれしい」とも。

 執筆を通して、上の世代が築いた文化が自分の財産になっていることを再認識したという。「世代間の理解やリスペクトにつながれば」と、同書が世代間の架け橋になることへの期待を込める。

 仕様は四六判288ページ。価格は1,980円。

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