「これからの海と人との関係~海の環境とブルーカーボン~」と題した講演会が3月3日、みなと交流センター「はーばりー」(今治市片原町)で開催される。主催はNPO法人「今治シビックプライドセンター(ICPC)」。
同NPOは前身となるICPC協議会として2007(平成19)年、活動を展開。今治港を起点に、中心市街地の活性化や地域への愛着を持った若者の育成を目指し、さまざまなプロジェクトを実施してきた。5年前には子どもたちが海に関われる機会を提供したいと「今治海kids倶楽部」を設立した。
事務局長の三谷秀樹さんは「今治の象徴である海を軸に、子どもたちが地域に興味を持つために漁体験やイベントなどを開いてきた。これまでに1000人近くの子どもたちが活動に参加してくれた」と、これまでの活動を振り返る。
現在の主な活動の一つが2022年に始めた「今治アマモプロジェクト」で、かつて瀬戸内海に多く自生していた海草「アマモ」が生える藻場を再生させようというもの。アマモには二酸化炭素を吸収・固定して酸素を作る効果があり、「ブルーカーボン」として近年注目が集まっている。
同プロジェクトでは吉海町幸港のアマモから種を採取し、人工のアマモマットに参加者の子どもたちと植え付け。発芽を確認した後、今治城の堀や市内海岸の海底にマットを敷き、継続的に育成状況を観察している。三谷さんは「アマモは本来多年草だが、幸港で採取した種を調査したところ一年草になっていた。『こうやればうまくいく』という正解のない難しさはあるが、面白さでもある。子どもたちと一緒に試行錯誤を繰り返していきたい」と話す。
今回の講演会では、同プロジェクトの活動について発表するほか、専門家として国立研究開発法人水産研究・教育機構の島袋寛盛さん、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合の堀 正和さんの講演も予定。
開催時間は13時~15時。定員50人。参加はメールで受け付ける。