今治市地域地場産業振興センター(今治市旭町)で11月30日、中心市街地「まちづくり市民会議」が行われ、市民ら約130人が参加した。
今治市総合政策部企画政策局魅力都市創生課が主催した同会議。中心市街地を活用した「まちづくり」について参加者と意見交換を行い、市民が一体となってまちづくりを推進することを目指す。
まちづくりの発表では、高校生2組、大学生1組、大人2組が参加。今治城の堀を活用した水力発電などについて発表した今治東中等教育学校の梶原颯さんは「自分たちは調査や研究を中心に行ってきたが、FC今治高校の生徒や愛媛大学の学生は地域の人と関わったり、市内を実際に歩いたりと自分たちと違う観点で進めていて、まちづくりに興味を持った」と話した。同校の正木斗真さんは、「地域の課題を地域にあるものを活用して解決するという視点を持つと、市民自身にできることがあることに気付く」と話した。
コミュニティー作りについて発表したFC今治高校里山校の畠中真知さんは「コミュニティーに関心があり、自分は0から1をつくるスタンスで実践していたが、地域にあるものを活用するという視点が学びになった」と話した。同校の白幡美琴さんは「コミュニティーとは、人と人とが関わっていくことで生まれるもの。今後も積極的に地域に出ていきたい。地域の方に応援してほしい」と話した。
景観工学・土木デザインの専門家福島秀哉さんが「今治市中心市街地まちづくり構想」を説明。先進的なアイデアが盛り込まれたグランドデザインを示し、「ここから市民の意見でよりよいものに創り上げることが大切」だと伝えた。講師の三浦詩乃さんは「歩きたくなるまちづくりの先行事例」を説明。海外で歩道や自転車道をまちづくりの中心とし、「歩こう」を選択したくなるまちに人が集まることから、日本でも同様に大阪・なんば、沼津市、八戸市がウオーカブルなまちづくりに挑戦していることを紹介。
最後に、大学研究者や行政関係者ら6人がパネル討議で意見交換を行った。まちづくりでは、人が集う空間を作ることと関心のある人を育てることの両面からのアプローチが必要など、具体例を交えた議論が行われた。参加した市民から、「まちづくりと教育に関連がある。まちづくりに関係する大人と教育関係者が交流する機会を設けることで、子どもたちに良い影響が与えられるのでは」と意見が述べられた。
閉会のあいさつでは、徳永繁樹今治市長が「今ほど市民がまちづくりに関心を持っているときはない。今後も将来の今治市について、市民と共に考えたい」と力強く話した。