今治で長年親しまれてきた喫茶店「パイプのけむり」(今治市枝堀町1)が3月22日に閉店する。
同店は1976(昭和51)年1月にオープン。今年、50周年を迎えた節目での閉店となった。店主の村上好美さんがスタッフと共に店を切り盛りし、長年にわたり常連客や地域住民に親しまれてきた。店内では、昔の思い出話に笑顔やため息を交えながら、閉店を惜しむ客の姿が見られた。
以前から「いつ閉めるか」を考えていたという村上さん。営業許可の更新時期を迎えたことに加え、体調面への不安もあり、閉店を決断した。
閉店を迎えた今、改めて感謝の思いを実感しているという。「生きているうちに、自分の口で皆さんに閉店を伝えられた。これはすごいこと。これまでの苦労や苦しかったことも、全部報われました」と振り返る。
村上さんは広島出身。結婚を機に今治へ移り住んだ。店を続ける中では、思うようにいかない出来事や「苦い」と感じる経験もあったという。それでも「次はこうしよう」と前向きに捉え、店に立ち続けてきた。
「とにかく今日一日を頑張る。来てくれたお客さまに、いい思いをして帰ってもらいたい。その一心だった」と話す。
51年間の店の歩みを振り返り、村上さんは「目いっぱいやった。やれることはやった」ときっぱり。「これから、こんな楽しみがあったんだという発見があれば」と、これからの人生への期待も口にする。
店主として、そして娘を育てる母としても走り続けてきた村上さん。忙しい店の仕事と子育てを両立してきた日々を振り返りながら、最後にこれからの世代へ向けて、「しんどくても、ずっと先に返ってくるよ」とエールを送る。
営業時間は8時~18時。月曜定休。今月28日・29日には、店で使ってきた食器やキッチンツール、インテリア雑貨などの販売も行う予定。