今治の老舗餅店「あわびや餅店」(今治市本町4)が今年も期間限定商品「わらび餅」の販売を始めた。
創業270年以上の歴史を持つ同店だが、わらび餅を作り始めたのは3年ほど前。26歳の10代目・近藤駿次郎さんは「先代の頃からお客さまに『わらび餅は置いていませんか?』と度々聞かれることがあり、その要望に応えようとラインアップに加えた」と話す。先代のつながりをたどって京都の老舗和菓子店から製法を伝授してもらい、試行錯誤を重ねた末の商品化だったという。「材料や作る工程がシンプルな分、ちょっとした加減や技術によって出来上がりが大きく異なってくる。餅の工程とも違うため、いつも難しいと感じながら作っている」とも。
昨今の「和菓子離れ」に対抗して、菓子職人である駿次郎さんの兄と共に、数年前から商品開発に積極的に取り組んでいる。これまでに洋菓子のような味わいの「バターもち」や「いちご大福」「抹茶大福」などの大福商品を販売。
販売を始めた「わらび餅」は、夕方には売り切れる日もあるという。「幅広い品ぞろえで、近年では若年層のお客さまや海外の旅行客も多く訪れている。まだまだ修業の身だが、今後もさまざまな商品を作っていく予定」と意気込む。
価格は1パック300円で、別途50円で黒蜜が付く。10月ごろまでの販売予定。営業時間は8時~18時。月曜・火曜定休。