暮らす・働く 学ぶ・知る

今治・浅川造船でケミカルタンカー進水式 餅まき・タオルまきも盛大に

支綱切断された船が初めて海へと動き出す瞬間、青空に風船と紙テープが舞い、歓声が上がった。

支綱切断された船が初めて海へと動き出す瞬間、青空に風船と紙テープが舞い、歓声が上がった。

  • 0

  •  

 造船所が立ち並ぶ今治市の波止浜湾内で5月24日、新しく建造されたケミカルタンカーが初めて海に進水する瞬間を盛大に祝う進水式が浅川造船(今治市小浦町)で行われた。

今治・浅川造船でケミカルタンカー進水、餅まきの様子

[広告]

 同社の村上賢司さんは「進水式は船の航海の安全を祈願する重要なセレモニー。船主をはじめ、国内外から多くの関係者やゲストが参加する。浅川造船の進水式は地元の小中学生をはじめ多くの地元住民も参加し、一緒に祝うのが恒例行事となっている」と話す。

 当日も多くの市民が駆けつけ、船の建造に関わった人々や地元への感謝の気持ちを込めて盛大に祝った。

 式典では、神主による祝詞や祈願、造船所の代表者や関係者による玉串奉典が行われた。「最も象徴的な瞬間」だという『命名』と『支綱(しこう)切断』では、船の名前が正式に発表された後、銀のおので支綱を切断すると、ひもにつながれたシャンパンが船首部分にたたきつけられた。支綱を切断された船が初めて海へと着水していくその瞬間、観客からは盛大な歓声と拍手が送られた。

 壇上にいる船主や関係者から投げられた紅白の餅や今治産タオルを、子どもやおじいちゃん・おばあちゃんがキャッチする姿は進水式のハイライトの一つ。コロナ禍で中止されていた餅まきとタオルまきも復活し、会場は歓声と笑顔であふれた。見学に訪れていた愛媛大学の学生は海へと進水する様子を見て、「思ったより大きくて圧巻だった」「進水式という、なかなか見ることができない式典が見られて感動した」と話していた。

 村上さんは「晴天に恵まれて良い進水式になった。進水式は単なるセレモニーではなく、船の建造に関わった全ての人々の努力や、地元の方々に感謝を伝える場。これからも海事都市・今治を象徴する式典として、歴史を引き継いでいきたい」と思いを寄せる。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース