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今治の図書館でぬいぐるみの「お泊り会」 10年続く人気イベントに

先着順で集まった10体のぬいぐるみが「参加」した

先着順で集まった10体のぬいぐるみが「参加」した

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 子どもたちに図書館を身近に感じてもらおうと、今治市立波方図書館(波方町)が6月22日から23日にかけて、ぬいぐるみを預かって図書館に「お泊り」させるイベント「ぬいぐるみのお泊り会」を開いた。

名残惜しそうにぬいぐるみを寝かしつける参加者の子どもたち

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 ぬいぐるみが「お泊り」して図書館を探検する様子を職員が撮影し、アルバムにして子どもたちにプレゼントするイベント。アメリカ発祥で、2010年代から国内でも広がり始めた。同館では2014(平成26)年に初回を開催。コロナ禍で見送った年もあったが、今年で10年目を迎え、毎回満員の人気イベントになっている。

 同館職員の渡邉純子さんは「子どもたちがお気に入りのぬいぐるみと離れることで、創造力を育んだり、寂しさや名残惜しさ、ドキドキやワクワクといった感情を養ったりすることにつながれば」と話す。

 お泊まり会には、先着順で集まった幼児10人のぬいぐるみ計10体が「参加」。地元の朗読グループ「なみかたざんぶらこ」による絵本の読み聞かせや紙芝居を一緒に楽しんだ後、用意された毛布にぬいぐるみを寝かせ、名残惜しそうに見送った。

 翌日には子どもたちがぬいぐるみを迎えに同館を訪れ、職員からぬいぐるみとアルバムを受け取った。アルバムにはぬいぐるみが館内で本を探し歩く様子や集まって本を読む姿など、冒険の様子が収められており、子どもたちは「かわいい」「何の本を読んだんだろう」と写真を見ながら想像を膨らませ、職員にいろいろな質問をしていた。職員がぬいぐるみのキャラクターや子どもの年齢に合わせて選んだ推薦図書も一緒に手渡され、ぬいぐるみを抱きながら楽しそうにページをめくる姿も見られた。

 渡邉さんは「受け取りに来る子どもの中には、『ちゃんとごはん食べてた?』と聞いてくる子どもや、過去には寂しさに耐えきれず、結局お泊りを断念して連れて帰る子もいた。普段子どもたちが大事にしているぬいぐるみとのやり取りが、いろいろな感情に向き合うきっかけになっている」と話す。「お泊り会を通して、本や図書館に親しみ、出合うきっかけになれば。今後も続けていきたい」と意気込む。

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