
愛媛県の梅の名所として知られる綱敷天満神社(今治市桜井)で2月13日ごろ、境内の梅の開花が本格的に始まった。
菅原道真を祭る同神社は、境内にある志島ヶ原に菅原道真が太宰府に向かう途中に立ち寄ったという言い伝えが残っている。菅原道真が生前好んでいたとされている梅の花は約400本植えられており、その梅林は約11ヘクタールで、東京ドーム2つ半ほどの広さがある。1941(昭和16)年には名勝地指定を受け、現在は公益社団法人志島ヶ原保護協会によって、定期的な清掃活動や施肥が行われている。
例年は1月下旬ごろに咲き始めるが、今年は寒波などの影響で開花が遅れ、2月中旬ごろに徐々に咲き始めた。境内の梅や松林の保護・管理を行っている志島ヶ原保護協会代表理事の月原佑治さんは「今年は開花が遅かったが、一年を通して地域の人たちも交えて整備を行い、無事開花して、『今年も、この時季がやって来た』と感じている」と話す。清掃には同協会のメンバーのほか、地元企業の従業員や地元中学生が参加することもあるという。「高齢化が進んで若手の会員も募集しているが、地域の人も積極的に参加してくれる」と月原さん。
2月25日が菅原道真の命日であることから、直近の日曜である2月23日には菅原道真をしのんで祈とうが行われ、あめ湯の振る舞いや、桜井漁業組合婦人部によるたい飯などの販売を行う「観梅会」も開催する。月原さんは「観梅会は今年で43回目となり、地域の人はもちろん、梅を目当てに遠方からもお客さまが訪れるイベント。気軽に楽しんでもらえれば」と参加を呼びかける。
菅原道真の命日をしのぶ神事は10時から行われ、あめ湯などの提供も同時間より開催予定。