
2月22日は猫の日。今治で猫の保護活動に取り組む団体「おもち猫」(今治市中寺)では現在、保護猫部屋の改修を計画している。
「おもち猫」は2023年10月に設立。代表の小林敦子さんが、自宅近所でロードキルされた猫を立て続けに発見し、地域に増えすぎた猫の問題に目を向けたことで活動を始めた。初めは個人で野良猫の避妊去勢手術を行い、野良猫の増加を抑える取り組み(TNR)をしていたが「一人では追い付かない」と団体を設立。現在は今治市内に保護猫が暮らす部屋を構え、10人の運営メンバーとボランティアで保護猫をケアしている。
同施設では約40匹を保護し、さらに約15匹を小林さんや、数人の「預かりボランティア」が自宅などで預かっている。定期的に「譲渡会」を開き、これまでに20匹以上の譲渡を成功させてきた。
環境省の調査によると、愛媛県は2019年に猫の殺処分数で全国ワースト1位になるなど、猫の問題が多い県。殺処分数は年々減少しているものの、全国的には少ないとは言えない状況が続いている。2022年には、猫の不妊去勢手術費の助成に充てるため、今治市もクラウドファンディングを実施するなど、取り組みが進められてきた。
一方で「猫の保護活動に取り組んでいる団体は、まだまだ少ない」と小林さん。地域住民からのレスキュー依頼も多いというが、「現在は受け入れ数が限界ギリギリのため、新規の受け入れはストップしている」という。「現在は、元気な猫の部屋、病気療養部屋、まだ幼い猫の部屋などを何とか確保している。一度、室内で猫風邪がまん延して深刻な状況になったこともあり、命を預かるのは本当に気が抜けない」と小林さん。「体調に心配のある猫はケージの中で過ごしたりしているが、家猫として迎えられて、広いところでのびのび過ごさせてあげたい」と切実だ。
現在、保護猫部屋としている物件は賃貸の一軒家。「経年劣化が激しく、壁には穴が空いていたり、天井も一部が落ちてきたりと傷みがひどく改修が必要な状態」だという。一方で「毎日の猫の食事や医療費には多額の費用がかかり、改修費を捻出する余裕がない。脱走防止柵など、必要な対策もままならない」と話す。
同団体は現在、クラウドファンディング(CF)で協力を呼びかけている。2月20日時点で目標額の33%。オールイン方式を採り、支援は「猫ちゃん応援コース」(3,000円~3万円)のほか、「猫ちゃんもっと応援コース」(5万円~10万円)、「猫ちゃん絶対応援コース」(20万円)などがあり、リターンにはお礼のメールなどを用意する。小林さんは「猫と人が共生できる社会になれば。猫が好きな人も嫌いな人も、住みやすい世の中にしていきたい」と支援を呼びかける。CFは2月28日まで。