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今治・鈍川温泉で若者が働きながら暮らしを体験 「ふるさとワーホリ」で

「ふるさとワーキングホリデー」を活用し、農産物直売所の「玉川湖畔の里」で働きながら滞在する大濱茉耶さん。

「ふるさとワーキングホリデー」を活用し、農産物直売所の「玉川湖畔の里」で働きながら滞在する大濱茉耶さん。

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 仕事と暮らしを体験できる「ふるさとワーキングホリデー」を活用し、現在、8人が今治市内に滞在し活動している。

今治・鈍川温泉で若者が働きながら暮らしを体験

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 ふるさとワーキングホリデーは、総務省が2017(平成29)年に始めた制度。都市に暮らす若い人たちが一定期間地域に滞在し、働いて収入を得ながら、学びの場を得たり地域の人たちとの交流を行ったりするもの。今治市が同制度を活用するのは、今年が初めて。9月2日~15日の13泊14日、鈍川温泉エリアと大三島エリアの2カ所で、参加者を受け入れている。

 農産物直売所の「玉川湖畔の里」(今治市龍岡下)で働きながら滞在する大濱茉耶さんは、大阪府出身。地方への移住を考える中で今治市のワーキングホリデーに参加し、初めて同市を訪れた。同直売所では店長やスタッフと共に品出しや接客を行っている。

 「地域の人の生活に密着している直売所。来店された人と『久しぶり、元気しとった?』と会話を交わすような接客に、こちらまで温かい気持ちになった」と大濱さん。「滞在中には、今治に移住してきて頑張っている人たちにもたくさん会えた。自分のこれまでの生活では想像していなかったような生き方、暮らし方に出合えた。新しくふるさとができた感覚」とも。

 同直売所の今岡政雄店長は「商品はもちろん大切だが、それだけではない。人と人とが関わり合える温かい関係性を大切にしている。交流を楽しんでくれてうれしい」と話す。「高齢化や人口減少の課題は大きい。今回の経験を通じて、またいつかここに戻ってきてくれたらありがたい」とも。

 鈍川温泉の旅館「カドヤ別荘」(鈍川)では、東京都市大学大学院に通う高橋拓史さんが働く。高橋さんが同市を訪れるのは今回が4回目。初めて訪れたきっかけは、昨年ソフトバンクが同市で主催した地域創生インターンシッププログラム「TURE-TECH(ツレテク)」に参加したことだった。

 「それまで今治といえばタオルの印象しかなかった。5日間滞在して、仲間と一緒に地域の課題解決のために頭をひねった経験を経て、『やりっぱなし』にせず、これからも関わっていきたいと使命感が湧いた」という高橋さん。その後、当時の仲間と任意団体「今バリ頑張る若者チーム」を立ち上げ、現在まで継続的に同市に足を運ぶ。

 「地域に入って活動する中で、『この人のために頑張ろう』と思えた出会いがあった。地方では『できることが増える』感覚がある。自分にやれるだけのことをやって、それが地域のためになればうれしい」と高橋さん。

 その言葉通り、同館では草刈りや事務作業、チラシ制作など、さまざまな作業を担う。上岩照夫社長は「若い人の力で助かっている。滞在を終えて各地に帰っても、それぞれの場所で今治の魅力を伝えてもらえたら」と期待を寄せる。

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