
サッカーとおむすび作りをきっかけに、世代や国籍を超えて地域の人たちが交流するイベント「サッカーでお結び会」が10月19日、今治市大西町で開かれた。
大西町では、住民の約1割が外国人。これまで地域行事や自治会活動に関わる機会が少なかったことから、「同じまちに暮らす人どうしが顔を合わせる場をつくりたい」と、大西地区多文化共生推進会が企画した。
当日は、地域の自治会や婦人会、少年サッカーチーム「大西サッカースクール」、シニアのウオーキングサッカーチームのメンバーら日本人約100人と地元企業に勤める約70人の外国人が参加。ウオーキングサッカーやキックターゲットなどで汗を流した後、九王集会所に移動し、婦人会が用意したおむすびを食べながら交流を深めた。
フィリピン出身の参加者ドーツさんは「フィリピンではバスケットボールが人気、サッカーをしたのは初めてだけど楽しかった」と話す。「会社では日本人の同僚と話すが、地域では知り合うきっかけがなかった。もっと日本語を話せるようになりたい」と笑顔を見せた。
大西地区多文化共生推進会の会長で、大西町九王地区の総代・越智肇さんは「子どもから高齢者まで、性別も国籍も問わず、いろいろな人が交わる場になったことがうれしい」と話す。「同じ地域に住んでいても外国人との接点は少なかった。今年初めて外国人世帯の調査を行い、ようやく状況を把握できた。今回のイベントが良いきっかけになれば。これからは日常の中で『ありがとう』『助かったよ』と声を掛け合える関係を築いていきたい」と話す。
外国人を雇用する企業の一社「森薫」(今治市大西町大井浜)の森里奈さんも参加。「これまでも社内で誕生日を祝ったり、一緒に『おんまく』に出たりして、従業員との交流を大切にしてきた。国籍は違っても、明るくて親しみやすい外国人スタッフの魅力を地域の人にも知ってもらえたら」と話す。
午後には、参加者たちがアシックス里山スタジアムで行われたFC今治対レノファ山口FCの試合を観戦。サッカーを通して地域の一体感を感じる一日となった。
今治市市民参画課の那須恵子さんは「顔の見える関係づくりが、今後の地域活動や防災にも生かされていけば」と期待を寄せる。