瀬戸内圏内の弥生石器をテーマにしたトークイベントが5月3日、今治の古本カフェ「森」(今治市米屋町)で開催される。
今治・古本カフェでトークイベント 乗松真也さん新著「弥生石器と瀬戸内社会」
公益財団法人「愛媛県埋蔵文化財センター」(松山市衣山)の調査員で考古学者の乗松真也さんが新著「弥生石器と瀬戸内社会」(新泉社)を刊行したのを記念して開く同イベント。同書では、弥生時代は道具として多くの石器が用いられた最後の時代であることに着目。原産地や消費地の特定が可能な石器の材質的な特性を調査して、具体的な交流の単位や流通経路を明らかにし、それらを瀬戸内海特有の地勢や生業と重ね合わせて水稲農耕社会の「交換」のあり方に迫っている。
乗松さんは愛媛県松山市出身。岡山大学で考古学研究の基礎を身につけ、長らく香川県教育委員会で調査員として勤務していた。その後、再度大学院に進学し、博士後期課程を修了。現在は地元・愛媛に戻り、愛媛県埋蔵文化財センターで調査を続けている。今回の著書は博士号取得の際の博士論文がベースとなったという。「書籍の発行には博士後期課程から含めると7年近くかかった」と乗松さんは話す。
トークイベントでは、同書でも触れている瀬戸内圏内に見られる石器のさまざまな特徴や流通などについて分かりやすく解説するほか、自身がどのように石器に魅せられ研究を行うようになったかなどの背景も語るという。乗松さんは「歴史や考古学といったジャンルの中でも、瀬戸内海における弥生時代や石器については研究者が少ない分野。当日も興味はあるが、なじみのない人も多いと思うので、実際の石などを用いながら初心者にも分かりやすく解説する」と話す。
今回企画したのは、同店スタッフの竹野はるかさん。以前から乗松さんとは親交があったが、研究について深く聞いたことがなかったという。「新刊が出たと聞いて本を購入して読んだが、2000年近く前のことをこんなに専門的に研究していたのかと驚いた。内容自体は面白いが、読むだけでは専門的で分からないことも多かったため、今回、オファーした」と開催の経緯を語る。「今回のトークイベントは、不定期で開催している『森の落とし穴』シリーズの一環。何か一つのことにハマってしまった人の話を聞いて、皆でその『穴』にハマるというものなので、今回も瀬戸内の石器にハマってもらえれば」と参加を呼びかける。
開催時間は14時~16時。参加費は1人1,500円(ドリンク別)。参加申し込みは、メール、SNS、店頭で受け付けており、当日は実際の石に触れる体験や書籍販売も行う。