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今治・大三島のフレンチが瀬戸内の食材で限定メニュー 生産者の思い伝える

地元食材とコラボした限定メニュー。コース前菜の「新玉ねぎと新じゃがいものキッシュ」

地元食材とコラボした限定メニュー。コース前菜の「新玉ねぎと新じゃがいものキッシュ」

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 今治市大三島のフレンチレストラン「しまなみフレンチフィレール」(今治市上浦町)が3月6日、地元食材とコラボした限定メニューの提供を始めた。

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 県の産地戦略推進室が企画する事業の一環。地元の生産者グループ「しまなみみんなのディッシュ」が生産した地域の食材を使い、オーナーシェフの伊藤博史さんが特別にメニューを考案した。

 産地戦略推進室が籍を置く県の農林水産振興部は、これまで主に地域の農家の生産技術の支援などを行ってきた。室長の田中秀実さんは「地域でいい食材を生産している農家はたくさんいる。小規模農家がそれぞれで市場に出荷するこれまでの方法ではなく、グループ化することで、共ともに販路開拓を模索できれば、販売効率化やブランディングも見込める」と生産者グループを立ち上げた経緯を話す。

 グループには現在、市内陸地部や島しょ部で農家を営む個人や団体が15組ほどが所属する。ワインやジビエ肉、オリーブオイルやかんきつなど、生産加工品のイメージから地中海やイタリアンのイメージになぞらえて、グループ名を「しまなみみんなのディッシュ」とした。

 同グループではこれまでも、「せとうちみなとマルシェ」へのブース出展や、タオル美術館(朝倉)での常設ブース開設などで食材の魅力をアピールしてきた。今年に入り、消費者に、より食材の魅力を知ってもらおうと、地元飲食店でのコラボメニューを企画した。

 フィレールでは同グループの食材を前菜とデザートに使用。前菜の「新玉ねぎと新じゃがいものキッシュ」ではカブの一種のサラダ・ラティーナやセロリの仲間のセルリアック、ゴマ、オリーブオイルを使う。

 「生産者からこだわりやお勧めの調理法を聞いて、生で食べてもおいしいサラダ・ラティーナはサッとグリルするなど、素材の良さが生かせるメニューを考えた」と伊藤さん。「今回のコラボをきっかけに、地域で思いを持って取り組む生産者さんと知り合えた。今後は店に商品を置くなど、一緒に地域の食を盛り上げるための協力ができれば」と話す。

 田中さんは「コラボメニュー提供を通じて、飲食店や消費者のニーズを知りながら、オーダーに応えられる生産技術の向上にもつなげていきたい」と話す。

 営業時間は、ランチ= 11時30分~15時、ディナーは=水曜~土曜のみで完全予約制。月曜・火曜・第3日曜定休。限定メニューの提供は今月末まで。

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