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ペットとシェアできる減塩フード、今治の食品メーカーが岡山理大などと開発

岡山理科大学獣医学部の江藤真澄教授(左)と「愛媛海産」蟹江絹代さん(右)。

岡山理科大学獣医学部の江藤真澄教授(左)と「愛媛海産」蟹江絹代さん(右)。

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 今治の食品メーカー「愛媛海産」(今治市天保山町)と岡山理科大学獣医学部(いこいの丘)、愛媛産業振興財団(松山市)が共同で開発した、人とペットがシェアできる減塩フード「D&シェアデリ」の販売が4月3日、来島海峡SA(大浜町)の特設売り場で始まった。

来島海峡SAの特設売り場で「D&シェアデリ」販売

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 同社の蟹江絹代さんは「減塩食の開発を進めている中で、犬と一緒にシェアできる食事にニーズがあるのではないかと着想した」と話す。通常の食品開発と異なり、動物への安全性を担保する必要から、同大に相談したという。

 相談を受けた同大では「いきものQOLプロジェクト」で、「動物に優しい医療や健康づくり」に向けた取り組みを進めてきた。プロジェクトをけん引する江藤真澄教授はアメリカの大学医学部での研究経験が長く、日本国内での医療工学分野の研究や開発が遅れていることに課題意識を持っていたという。同時に「地元の企業を大切にする感覚がアメリカの大学では根強い」といい、地域企業の産業・工業分野でのナレッジと、大学の知見をかけ合わせる同プロジェクトを立ち上げた。既にこれまで、今治タオルの技術を生かしたペットタオルや、鹿肉を使ったジビエペットフードなど、産官学で連携しながら開発を手がけてきた。

 今回の商品開発に当たっては、獣医学の視点での安全性や嗜好(しこう)性のテストを経て、販売に至ったといい、瀬戸内の魚や地鶏などを使い、犬が食べられない食材や食塩は不使用。「松山どりとじゃがいものポトフ」(540円)や「サラダフィッシュ 瀬戸内鰆」(594円)など7種類を展開する。

 3月末に今治市内で発生した山林火災では、同大今治キャンパスの体育館がペット同行避難所として開設された。「当時、ペットと一緒に避難して来た人が3組おり、D&シェアデリを提供した。災害時に、人にもペットにも食べられる食事という新しい備えとしても提案したい」と江藤教授。

 蟹江さんは「今後は猫専用のシェアデリなど、さまざまなニーズに応えられる商品を作っていきたい」と意気込む。

 同売り場では、「いきものQOLプロジェクト」で開発した商品を一堂に販売している。営業時間は8時~21時(土曜・日曜・祝日は7時~)。

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