「第2回いまばり若者カイギ」が3月10日、今治明徳短期大学(今治市矢田)で開かれ、地域活性化に取り組む県内の高校生が「食」をテーマにした事例に焦点を当て、1年間の成果を発表した。
当日は同大調理ビジネスコース、伊予高校、北宇和高校三間分校、西条農業高校、丹原高校、三崎高校の生徒が参加。参加した生徒・学生や教師のほか、一般参加の市民に向けて活動を報告した。
同コースでは本年度、JAおちいまばり(北宝来町)の相談を受けて里芋の「親芋」を生かしたレシピ開発に取り組んだ。1年生の大仁田侑紀さんは「愛媛県が生産量全国4位を誇る里芋。里芋には親芋・子芋・孫芋があるが、親芋は捨てられることが多く、もったいない。レシピ開発でおいしく食べられるようになれば」と、プロジェクトに臨んだ心境を振り返る。2023年7月にレシピ開発を始め、5カ月かけて完成にこぎ着けた。
レシピ開発には、「おいしさ、家庭でも作れる簡単さ、学生らしいアイデアであることにこだわった」という。開発に当たり、「親芋をペーストにした際にグレーになってしまう点に苦労したが、試行錯誤を重ね、酢水でゆでて少し時間を置くことで白色になることが分かった。そのおかげで、お菓子の生地に使うなど展開が広がった」という。生徒・学生ならではの目線で、総菜からスイーツまで7品を開発した。2月には産直市「さいさいきて屋」に併設する彩菜食堂(中寺)で開発した総菜の販売も実施。「売れ行きは好評だった」という。
大仁田さんは「地域の農産物とじっくり向き合い、扱い方を考え、新しい商品を生み出す作業はとても大変だった。たくさんの人にアドバイスを受け、完成させることができた。充実感と感謝の気持ちでいっぱい」と話す。将来は喫茶店を開きたいという夢があり、「来年度も活動を通して夢に近づいていきたい」とも。
同じく1年の藤原彩乃さんは「明確な将来のビジョンはまだ模索中だが、活動を生かしながら食にまつわる仕事に就きたい」と話す。
会を主催した同大地域連携センター長の大成経凡さんは「地域と連携しながら開かれた活動を展開することが学生の学びになる。今後も継続しながら、学生に視野を広げる機会を提供したい」と意気込む。