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今治・大三島に「ミヤウラ商店」 地域と旅人をつなぐ交流拠点に

右前が店主の大橋健太郎さん、中央が妻の美加さん。スタッフの皆さんと。

右前が店主の大橋健太郎さん、中央が妻の美加さん。スタッフの皆さんと。

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 しまなみ海道の旅の拠点の一つ、大三島に、島民と観光客、移住者が自然に交流できる新たな拠点「ミヤウラ商店」(今治市大三島町宮浦)が10月16日にオープンした。大山祇(おおやまづみ)神社参道口近くの旧薬局を改装し、しまなみエリアの産品を扱うアンテナショップとコインランドリー、交流スペースを融合させたユニークな施設となる。

今治・大三島「ミヤウラ商店」 外観の様子

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 経営するのは、元今治市地域おこし協力隊員で、ホステル&カフェ「Co-living & Cafe SANDO(コリビング・アンド・カフェ・サンド)」を同地区で営む大橋健太郎さん・美加さん夫婦。千葉県と山口県出身のIターン移住者だ。

 店舗は、約6年前に営業を終えた旧「カナダイ薬局」の1階部分を活用。かつてコンビニができるまで地域住民の生活を支えた地産品の店でもあったという歴史を踏まえ、島のニーズに応える形で再生させた。

 店内は、物販エリアとコインランドリーエリア、その中央に休憩や飲食にも使える交流スペースを設ける。同スペースは、イベントやセミナー、地域の発表の場としての利用も想定。コンセント付きの半個室ブースを3ブロック設けるなど、プライバシーに配慮しながら、会議や打ち合わせにも使える機能性も兼ね備える。

 「移住者がつくる店はおしゃれすぎて敷居が高い、という地元の方の声を聞くことがある。コインランドリーという、日常で役に立つ場所をきっかけに、誰でも気軽に入ってきてもらい、自然と交われる場所になれれば」と健太郎さん。これまで宮浦地区になかったコインランドリーを日常の動線に、交流のきっかけを仕込む狙いについて話す。旅行客や宿泊業の事業者の利用も見込んでいるという。

 物販エリアでは、しまなみ海道、広島県、岡山県など瀬戸内エリアのかんきつ商品や食品、地酒、調味料に加え、陶器、アクセサリー、雑貨などを幅広く展開。冷蔵ケースにはドーナツやマフィンなどの菓子も並べる。

 「観光客に向けてはもちろん、地元の人に向けても、地域の魅力を改めて提案できる場所にしたい。地元の人から『大三島のどこがいいの』と聞かれることも少なくない。外の目線から、地域の魅力を地元に伝えることが、移住者としての自分の役割かな」と健太郎さん。

 2階は今年1月、「カナダイシェアハウス」として運営を始めている。移住希望者や「おてつたび」の利用者など、一時滞在者の宿泊ニーズに応えるための施設で、現在は8人の定員に対して3人が入居。加えて毎月入れ替わりで利用者が訪れるという。今回の1階の店舗開設は、貸主からの「せっかくなら1階も活用してみては」という後押しも大きかった。

 健太郎さんは「誰もが思い思いに時間を過ごせる、開かれた場所を目指したい」と意気込む。

 営業時間は10時~18時。火曜定休。コインランドリーは24時間営業。

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