美術家・オガサワラミチさんの個展「瓦粘土偶2」が現在、今治の「かわら館」(今治市菊間町)で開催されている。
オガサワラさんは今治市菊間町出身で、現在は京都を拠点に活動している美術家。今年で作家活動20周年を迎えた。
京都の大学で現代アートなどの創作活動を始めたのを機に、絵画や立体作品など多くの作品制作を手がけてきた。現在はオリジナルグッズ制作やライブペインティングなど、多方面で活躍している。
地元での個展は今回が2回目。地元の伝統工芸である「菊間瓦」の瓦粘土を使って制作した土偶「瓦粘土偶」などを展示する。同作品は、高さ2~3センチのものから20センチのものまで大小さまざま、つぶらな瞳をしたオリジナル土偶。オガサワラさんは「コロナ禍で気軽に帰省できなくなり、地元を強く意識するようになった。菊間のもので何かできないかと考えた時、小学生時代に瓦粘土で動物などを作った記憶がよみがえり、再び瓦粘土で何か作ってみようと思った」と制作のきっかけを振り返る。
瓦粘土偶の制作には、地元の海岸で拾った貝殻などで模様を付けたものも多い。「帰省した時はよく海岸を歩いて、制作に使えそうな漂流物や貝殻を収集している」とオガサワラさん。どれも瓦特有のいぶし銀の風合いはあるが、同じものは一つとしてない。
館内の展示スペース横ではオリジナルグッズも販売。瓦粘土偶をあしらったステッカーや缶バッジ、土偶のイラストのTシャツ、土偶と同じくらい好きだというキノコのイラストのグッズも展開している。
「作家活動20周年という記念の年に、地元で作品を見てもらえるのはうれしい。8月にも市内中心部で個展を予定しているので、より多くの地元の方に見てもらえれば」と来館を呼びかける。
開館時間は9時~17時。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。閲覧無料。7月3日まで。