「磯野陶器店」(今治市菊間町浜)が5月30日、今治にオープンした。
店主の磯野洋介さんが作陶した皿、茶わん、カップ、花器などが並ぶ同店。磯野さんはサラリーマンとして市内企業に勤める傍ら、20年以上前から玉川町の陶芸教室に通い作品作りに取り組んできた。かつて両親が同名の陶器店を営んでいたが、「継ぐ気も、店を営む気もなかった」という磯野さん。あくまで趣味の一つとして作陶を続けてきたという。
転機になったのは昨年。40年以上勤めた会社を退職し、両親が自宅兼店舗として暮らし、5年ほど空き家になっていた実家も譲り受けることになった。「それならば」と思い立ち、仲間の力も借りて店内を一部改装。当時の屋号と雰囲気を生かしながら、「磯野陶器店」を復活させた。
作品の中で特に力を入れるのは抹茶茶わん。茶道と共に焼き物文化が花開いた安土桃山時代の茶わんに引かれ、「一番、作りたい」と力を込める。他にも、「日常的に使いやすい」皿やカップなど、月に数十点は新作を作る。「商品も入れ替えながら、飽きないような店づくりをしていきたい」と話す。
7月ごろにはカフェも始める予定。売り場内にテーブル席とカウンター、奥の7畳の座敷を合わせて10席ほどを用意し、メニューは抹茶やコーヒーなどのドリンクのほか、焼き菓子や地元菓子店の生菓子などを提供する。「気軽な気持ちで休みに来てもらえれば」と呼びかける。
営業時間は10時~18時。日曜・月曜・火曜・水曜定休。