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今治の特産品・菊間瓦製の「たき火台」発売 CFで800万円超の反響も

「モノツク工業」の海木さん(左)と「小泉製瓦」の小泉さん(右)。

「モノツク工業」の海木さん(左)と「小泉製瓦」の小泉さん(右)。

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 今治の特産品の一つである菊間瓦で製作したたき火台「燈瓦(とうが)」が2月1日、発売された。

菊間瓦製の「たき火台」 火の灯った様子はこちら

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 販売元は、愛媛県の職人と共同での商品企画・開発を手がける「モノツク工業」(松山市)。「かわらや菊貞」の屋号で瓦の製造業を営む「小泉製瓦」(今治市菊間町)とタッグを組み、開発した。

 小泉製瓦は瓦の生産が盛んな菊間町で10代続く老舗の窯元。小泉信三社長は「近年は屋根瓦の需要が減り、15年ほど前からはタイルやコースター、皿や酒器など、いろいろな造形にも挑戦してきた」という。

 一方のモノツク工業は、富山県出身の海木寛之さんが2022年に創業。これまで、化学メーカーでものづくりに携わってきた海木さん。「地場でものづくりをしている職人の存在や魅力をもっと広めたい」と創業を決めた。前職から愛媛県内で勤務していた縁もあり、独立に当たり、「温暖な気候と、愛媛の職人の魅力に引かれ、愛媛を拠点に決めた」と話す。

 商品開発に当たり、「瓦でもの作りに挑戦したい」と海木さんがオファー。小泉さんは「面白い企画」と共感し、開発が始まった。アウトドアブームや癒やし効果に目を付け、製作するアイテムは屋内用の「たき火台」に決定。瓦に直接、火があたると亀裂が入る懸念があることから、内部に金属カップを仕込むなどの改良を重ね、瓦ならではの風合いやデザイン性にもこだわった。

 完成した商品は、幅13センチ、奥行き15センチの台座に、約7センチ四方のたき火台本体を載せる。焼成の温度を変えることで、「鍛黒色」「いぶし」「陽土色」「海松色(みるいろ)」の4色を製造する。たき火台の中の金属カップには伊予陶石を敷き詰め、アルコールを注入して着火する仕様。瓦のふたをかぶせて消火する。

 開発と並行して製作費の調達のため、クラウドファンディングも実施。2023年12月以降、Makuakeなど3サイトで協力を呼びかけ、総額800万円以上の資金を集めた。海木さんは「予想を超えた反響があった。伝統技術を応援したいという声も多い」と手応えを実感。小泉さんは「瓦に興味を持ってもらえて、ありがたい」と話す。ただ、「一点一点手作りのため、生産スピードには限界がある」と小泉さん。オンラインで月30点をめどに販売する。

 「瓦業界は設備の老朽化や後継者不足など、いろいろな課題もある。これまでのやり方にとらわれず、チャレンジしていきたい」と小泉さん。海木さんは「愛媛の職人の技に光を当て、感動する商品を生み出していきたい」と意気込む。

 価格は3万3,000円。楽天市場で扱う。

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