今治のご当地キャラクター「バリィさん」に10月23日、ファン手作りの雨がっぱが贈られた。制作したのはファン歴13年の「月さん」。約3カ月かけて完成させたという。
「イベントの時に雨が降りそうになると、他のキャラクターがレインコートや傘で対策するなか、体の大きいバリィさんはブルーシートでもギリギリ。急いでブースに戻っていた姿を見て、『何か対策できたら』とずっと思っていた」と月さん。裁縫は本業ではなく「素人」と話す月さんだが、バリィさんの管理を手がける「第一印刷」のスタッフにも相談しながら休日を中心にコツコツと作業を進め、約3カ月をかけて完成させた。
完成した雨がっぱは、明るいブルーの身頃に赤、青、黒のボタンを施したデザイン。実際に着用した姿を見た月さんは「サイズなどが心配だったが、無事に着られてホッとした。バリィさんは何を着てもかわいいと思った」と安堵。「本当の完成は、雨が降った時に役に立つこと」と話し、実用性へのこだわりも見せる。
バリィさんの生みの親である「第一印刷」の宮田麻子さんによると、月さんはこれまでも季節ごとに衣装をプレゼントしてくれる「衣装職人」のような存在だという。
「バリィさんの腹巻きコレクションは月さんからのプレゼントが主。季節ごとの腹巻きのほか、ハットやタキシードなど、本当に手が込んでいて驚かされる。こうしたファンの愛情があってこそ、バリィさんがより魅力的になっている」と話す。その情熱と腕前から、過去には村上海賊をモチーフにした陣羽織の製作を依頼したこともあるという。雨がっぱの製作に当たっては、以前に作った型紙やサイズデータが生かされ、スムーズに進んだのだそう。
雨の日はこれまでイベント出演を控えていたバリィさんだが、「急な雨でもこれで少し安心して出られそう。頂いた衣装は全て大切に保管している。今後も大事に活用していきたい」と感謝を表す。
月さんは「会える機会がたくさんあるとうれしいが、バリィさんらしく、のんびりと今治のPRをしていってほしい」と優しくエールを送る。今後、雨の日にも活躍するバリィさんの姿が見られそうだ。