![女子プロバレーボールチーム「ヴィクトリーナ姫路」と選手契約を結んだ、今治精華高校の矢田和香さん。](https://images.keizai.biz/imabari_keizai/headline/1738807167_photo.jpg)
今治精華高校(今治市中日吉町)の女子バレーボール部に所属する矢田和香さんが、姫路が拠点の女子プロバレーボールチーム「ヴィクトリーナ姫路」と選手契約を結んだ。同部の歴史として初のプロバレー選手となる。
矢田さんは新居浜市出身の18歳。186センチの長身から繰り出される強烈なスパイクが武器。幼い頃から身長が高く、「幼稚園の頃から背の順では一番後ろ以外になったことがない」という矢田さん。それでも4人家族の中では、「背の高さは父、弟に次いで3番目」だという。
中学生でバレーを始めたが、「始めは軽い気持ちだった」。そのうちに頭角を現し、中学3年の頃には愛媛県代表として12人のメンバーに選ばれ、JOCジュニアオリンピックカップに出場。全国で準優勝の成績を収めた。
高校にはスポーツ推薦で進学。「監督の熱心さに引かれて(同校に)決めた」と振り返る。同部の岡崎大志監督は「当時のバレー部は県内で3番手くらいで、部員も少なかった。彼女たちの代が入部してからめきめき強くなった」と話す。矢田さんを含め、中学時代に県代表に選ばれたメンバーが4人入部し、矢田さんも「意識の高いメンバーに恵まれた」という。
その後、同部は躍進を続け、昨年度はインターハイに初出場。1月には春高バレーにも初出場した。本年度は6月の「天皇杯・皇后杯 全日本バレーボール選手権大会」で四国ブロック初優勝を飾り、ファイナルラウンドに出場。バレーボールの国内最高峰リーグ・SVリーグのチームから1セットを奪うなど健闘した。9月の「SAGA 2024国民スポーツ大会」ではついに全国ベスト4まで上り詰めた。
強さの要因については、「負けたとき、監督は怒るのではなく、攻め方や戦術を丁寧に説明してくれる。バレーが嫌になったことは一度もない」と矢田さん。敗因をメンバーと話し合い、徹底的に練習を重ねてきた。
卒業を控え、「SVリーグに所属する3チームからオファーがあった」矢田さん。活躍ぶりに反して「プロを目指してきたけど、オファーには『まさか』と思った。まだ今もびっくりしている」と話す。契約を結んだ「ヴィクトリーナ姫路」については、「監督や先輩方が優しく教えてくれて、指導方針もこれまでと似ている部分を感じた。アヴィタル・セリンジャー監督は世界を見てきた人。世界を目指すチームで、一緒に成長していきたいと思った」という。
今後については、「まずはレギュラーをつかみ取りたい。将来はオリンピック代表として、世界で活躍したい」と意気込む。