今治・大島に5月30日、美容室「Nie1066(ニエ・イチマルロクロク)」(今治市吉海町仁江)がオープンした。京都から移住した脇阪宏幸さん・文美さん夫婦が、古民家の倉庫をリノベーションして開業した。
東温市出身の宏幸さんは京都の専門学校へ進学後、現地で美容師として働いてきた。以前から「島暮らし」への憧れがあり、地元にも近い瀬戸内海周辺で物件を探す中で大島と出合った。本格的に移住を考え始めたのは2年ほど前からだという。
京都出身の文美さんは当初、移住に反対していたが、「『いつか』ではなく『動けるうちにやりたい』」という宏幸さんの熱意に後押しされた。さらに、子どもたちが島を気に入ったことや、「陸地部に近く、買い物も不自由なさそう」と具体的な暮らしのイメージが湧いたことで移住を決意。2025年12月、小学生と幼稚園児の子どもを含む一家4人で大島へと居を移した。
宏幸さんは5年ほど前から独立開業を視野に入れており、「什器(じゅうき)や店作りに主体的に関わりたい」との思いから、美容師として働く傍ら、鉄工所に勤めて溶接や金属加工の技術を習得したという異色の経歴を持つ。大島で購入した物件は、かつてタバコの乾燥小屋と牛小屋として使われていた倉庫が付いた古民家。その倉庫部分をほぼDIYで美容室へと生まれ変わらせたという。
自身が得意とする「モードなスタイル」をベースに、「モード感と田舎らしさのミックス」を意識して空間をデザイン。鉄工所経験を生かしたオリジナルの什器などが並ぶ宏幸さん「こだわり」の店内で、完全マンツーマンの施術を提供する。
同じ敷地内にあるもう一棟の倉庫では、妻・文美さんが今秋の開業を目指してパン店開業の準備を進めている。パン店での勤務経験が長く、自身の店を持つ構想を温めていた文美さん。「小さな子どもがいるため、『自宅兼店舗』が理想だったが、京都では実現が難しかった」と振り返る。大島だからこそかなう理想のライフスタイルに向け、現在は開業準備に注力する。
2人は「秋にオープンするパン屋を入り口にして、地域内外の人が気軽に集まる場所にしていきたい。その中で美容室の存在も、いろいろな人に知ってもらえれば」と笑顔を見せる。