今治市で活動する卓球クラブ「常盤HSクラブ」が8月10日~12日の3日間、東京体育館(東京都渋谷区)で行われる全国大会「ロートカップ・第42回全国ホープス卓球大会」に男女団体で出場する。男女そろって出場するのは、2013年以来となる。
同クラブは2005(平成17)年に設立。当時、常盤小学校の校長で、卓球経験者の倉永忠さんが立ち上げた。当初10人程度だったというメンバーは、現在、幼稚園児から中学生まで40人ほどまで拡大。2012(平成24)年に全国大会に初めて出場して以来、男子団体は6回、女子団体は5回の全国大会への出場歴を誇るなど、強豪チームに成長した。
設立のきっかけは、倉永さんの恩師で、県の卓球協会会長を務めた村上周利さんからの言葉だったという。「『強い選手を育成するには、小学生から取り組まなければならない。お前がクラブを作れ』と言われたが、当時、学校長が地域クラブを作った前例がなかった」という。戸惑った倉永さんが部下の教員に相談したところ、「校長がいつも『地域に貢献しなさい』と言っているじゃないですかと後押しされ、決意した」と振り返る。
強さの秘訣(ひけつ)について、「試合の組み立て方もあるが、とにかく練習量」と倉永さん。同クラブは火曜~金曜の平日は常盤公民館、土曜・日曜は常盤小学校の体育館で、週6日、練習を重ねる。今年6月で80歳を迎え、代表の座を後任に譲った倉永さんだが、変わらず体育館で練習を見守る。新代表の二宮芳雄さんは、倉永さんが教員初任者として初めて卓球部の顧問を務めた当時の「初の教え子」。倉永さんのスタイルを継承し、子どもたちの練習をサポートする。
今回、女子団体として全国出場を果たした富田小6年の月原千桜里さんは「4歳から卓球を続けてきた。目標は全国ベスト8以上」と話す。男子団体で出場する吹揚小6年の福井啓太さんは「全員がベストを尽くして頑張りたい」と意気込む。