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おいしく国際交流 今治・明徳短大で留学生に自国の家庭料理を学ぶ特別授業

中国河南省出身の劉さんは、「中国ではよく食べる」という菊の花に見立てた魚の唐揚げを指導した。

中国河南省出身の劉さんは、「中国ではよく食べる」という菊の花に見立てた魚の唐揚げを指導した。

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 留学生から出身国の料理を学ぶ特別授業が7月9日、今治明徳短期大学(今治市矢田)で行われ、調理師を目指す「調理ビジネスコース」の学生らおよそ20人が食を通じた国際交流を楽しんだ。

留学生と調理ビジネスコースの学生たち

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 企画したのは同コースの教員、井上弘美さん。担当する「食文化概論」の講義で学生たちに世界各国の食文化を紹介する中、「座学だけでなく、実習を通してより深く学べるのでは」と思い立ったという。同短大には156人の学生が在籍するが、そのうちおよそ半数に当たる75人を海外からの留学生が占めている。国籍はネパールが最も多く、次いで中国となっており、そのほとんどが「国際観光ビジネスコース」に在籍している。

 そこで井上さんは、「歴史の深い中国の食文化をテーマに、中国人留学生に本場の家庭料理を学ばせてもらおう」と提案。今回初めて、調理ビジネスコースと国際観光ビジネスコースの連携授業が実現した。

 授業では中国人留学生3人が講師となり、中華料理の作り方をレクチャーした。調理師免許を持つという劉超群さんは「中国でよく食べる」というスズキの菊花揚げを指導。慣れた手つきで魚をさばく劉さんに倣って学生たちも包丁を握るが、薄く切りすぎて身が切れたり、厚すぎたりして悪戦苦闘。劉さんは「何度も切ったらうまくなる」と声をかけながら、丁寧に教えた。

 今治出身の高橋姫華さんと安藤沙羽さんは「初めは難しかったけど、分かりやすく教えてもらい、徐々に上達した。これまでも中華料理の実習はあったが、中国人の方に教わったのは初めて。(でき上がった料理は)これまで食べたことのない本場の味で、ソースがおいしい」と笑顔を見せた。

 留学生の劉さん、先歓さん、王明亮さんは実習を終え、「普段はなかなか他のコースの学生と交流がなく、今回はとてもいい機会だった。みんながおいしいと言ってくれてうれしかった。チャンスがあればまたやりたい」と話す。

 国際観光ビジネスコースの担当教員、中山光成さんは「普段とは違う留学生の一面を見ることができ、生き生きしているのが印象的だった」と振り返る。井上さんは「今後、いろいろな国の料理をテーマに実施できたら」と意気込む。

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