ピザ店「pizzeria TAKIBI(タキビ)」(今治市上浦町)が4月23日、オープンした。
今治・大三島にピザ店「TAKIBI」、今治の食材を使ったピザ
地元・大三島出身の井上真吾さんと妻の直美さんが開いた同店。真吾さんは高校卒業後、岡山県の大学に進学。同県出身の直美さんと出会い、結婚後も長らく岡山を拠点に暮らしてきた。真吾さんは「昔から、いつかは地元の大三島に帰り、地域を盛り上げたいという気持ちがあった」と話す。「地域活性化に貢献する経験を積もう」と、同県ではまちづくりや地域振興を手がける会社に勤務。同社では町家を改修した喫茶店も経営しており、店長として飲食業も経験した。
「10年ほど前から島に戻りたいという気持ちが高まり、物件を探し始めた」という真吾さん。夫の思いを聞いていた直美さんも賛成し、夫婦で開業への思いを募らせてきた。3年ほど前からは勤務先の喫茶店でピザの提供を始めたこともあり、「大三島の食材を使った特色あるピザ店」という構想が生まれた。ほどなくして物件の購入に至り、改装して今回開業にこぎ着けた。
メニューは、「マルゲリータ」(1,300円)、「クワトロフォルマッジ」(1,600円)などのピザと「チーズケーキ」(450円)などのケーキ類、ドリンクが中心。「今治産れんこんとバジルのピザ」(1,500円)や「愛媛県産しらすと瀬戸内産のりと大葉のピザ」(1,600円)など、地元食材を使ったメニューにも力を入れる。「特徴は自家製の天然酵母。大三島産のレモンの皮を発酵させ、イースト菌を仕込んでいる。果汁はレモンソーダなどのドリンクに使っており、生産者が心を込めて作った食材を『使い切る』ことで、環境への優しさも心がけている」と真吾さん。
店内はカウンターとテーブル21席、テラス席12席を用意。衣装デザイナーとして活動してきた直美さんが内装やロゴのデザインを手がけ、ピザ窯には「瀬戸内の海をイメージして」デザイン・オーダーしたタイルを装飾した。
「TAKIBIの店名は、火を囲んで人が集まるイメージから、交流の場所になればという思いで名付けた」と直美さん。オープンから3週間がたち、「中には何度も足を運んでくれるお客さまもいてうれしい」と笑顔を見せる。真吾さんは「まずは地域に愛される店にしたい。今後はジビエなどの新メニューも企画している。にぎわいを生み出し、出身者のUターンに繋がるきっかけにも貢献できれば」と意欲を見せる。
営業時間は11時~17時。木曜定休。